交通事故の素因減額に関するQ&A
素因減額とはなんですか?
素因減額とは、交通事故にあった場合に事故の前から有していた身体的、あるいは心理的な素因が損害の発生や拡大に影響した場合に、賠償金の金額を減額するというものです。
同様に交通事故の減額事由としては過失相殺がありますが、過失割合が事故態様や事故当時の各当事者の行動などに着目したものであるのに対し、素因減額は被害者の身体的・心理的な特徴・状態に着目したものとなります。
素因減額は、身体的な素因と心理的な素因に大きく分けることができます。
身体的な素因とはなんですか?
身体的な素因とは、既往症や疾患、身体的特徴などが損害の発生や拡大に寄与している場合に、賠償額減額されるというものです。
典型的な事例としては、既往症として後縦靭帯骨化症にり患している被害者に対しては、少なくとも20%~30%程度の素因減額が認められる傾向にあります。
もっとも、単なる身体的特徴(首が長い又は細いなど)が身体的素因として認定されることは基本的にないため、素因減額の認定の有無においては上記のような既往症や疾病を有しているかが重要となります。
心理的な素因とはなんですか?
心理的な素因とは、被害者に事故前から存在している精神疾患や、被害者が特異な性格を有していることが損害の発生や拡大に影響した場合に賠償額を減額するというものです。
例えば、被害者が慎重な性格であったり治療に対して後ろ向きな姿勢をとっていたりといった事情から、治療が長期化してしまったようなケースがあります。
もっとも、事故の被害者は何らかの精神的苦痛を負っていることが多いため、心理的素因による素因減額の認定は慎重になされるのが一般的です。
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